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値上げシミュレーター

値上げでいちばん怖いのは客離れです。「何%値上げが必要か」と「何%まで客が減っても大丈夫か」を同時に出します。

仕入が何%上がったか

具体的な価格で検証したいとき

「粗利率を守る」と「粗利額を守る」は違う

原価が上がったとき、値上げ幅の考え方は2通りあります。

粗利額を守る売価 = 新しい原価 + 従来の粗利額
粗利率を守る売価 = 新しい原価 ÷ 従来の原価率

原価300円・売価1,000円の料理で原価が15%上がった場合(新原価345円):

  • 粗利額を守る → 345 + 700 = 1,045円(値上げ幅4.5%)
  • 粗利率を守る → 345 ÷ 0.3 = 1,150円(値上げ幅15%)

粗利率を守ろうとすると、原価の上昇分に利益が上乗せされるため、値上げ幅が3倍以上になります。 客離れのリスクを考えると、まずは粗利額の維持を基準に置き、 そのうえで人件費や光熱費の上昇分をどこまで乗せられるかを検討するのが現実的です。

何%まで客が減っても大丈夫かを先に決める

値上げの判断で本当に必要なのは、値上げ幅そのものではなく許容できる客数の減少率です。

許容減少率(%)=(1 − 値上げ前の粗利額 ÷ 値上げ後の粗利額)× 100

粗利額が700円から800円に増えるなら、1 − 700/800 = 12.5%。 販売数が12.5%減っても、粗利の総額は変わりません。この数字を先に出しておくと、 値上げ後に「思ったより客が減った」と感じたときに、それが許容範囲内なのか判断できます。

値上げが失敗しにくい進め方

  • 全品一律より、対象を絞る。原価上昇が大きいメニューと、価格弾力性の低い(値段で選ばれていない)看板メニューから
  • 端数を整える。980円→1,050円より、980円→1,080円のほうが心理的な段差は同じで粗利は大きい
  • グランドメニューの改訂と同時に行う。写真・構成・名称が変わると、価格の比較がされにくくなる
  • ドリンクを先に上げる。原価率が低いため値上げ幅を小さく抑えられ、抵抗も少ない
  • 理由を書かない。「原材料高騰のため」の掲示は、いずれ下がるという期待を生みます。掲示するなら価格改定の事実だけ

値上げ以外の選択肢

価格を据え置いたまま粗利を守る方法もあります。ただし、いずれも客が気づく点は同じです。

  • 量目の調整(実質値上げ。単価あたりでは値上げと同じ効果)
  • 付け合わせ・薬味の見直し
  • 原価率の低いメニューへの誘導(原価率計算で構成を確認)
  • ランチとディナーで価格を分ける

よくある質問

値上げ幅は何%までなら許容されますか?
一般に一度の値上げは10%以内に収めると抵抗が小さいとされます。20%を超える場合は、メニュー改訂や内容の変更と同時に行うか、2回に分けることを検討してください。
値上げのタイミングはいつがいいですか?
繁忙期の直前ではなく、来店頻度が落ちる時期の始まりが無難です。常連の反応を見る余裕があり、繁忙期には新しい価格が定着しています。
常連さんへの説明は必要ですか?
個別の説明より、価格改定の事実を店頭とメニューに明記するほうが混乱がありません。理由を掲示すると価格が一時的なものと受け取られる場合があります。
値上げ後に客数が減りました。失敗ですか?
このツールが出す許容減少率と比べてください。それ以内なら粗利総額は維持できており、失敗ではありません。加えて、客数が減った分だけ人時生産性が上がっている可能性もあります。

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計算結果は目安です。税務・労務・衛生管理の最終判断は、税理士・社会保険労務士・保健所など専門機関の指示に従ってください。