目標利益からの逆算ツール
「月に50万円残したい」から逆算します。必要な売上、1日の客数まで分解するので、目標が現場の行動に落ちます。
目標利益から売上を逆算する
必要な売上高 =(固定費 + 目標利益)÷ 限界利益率
限界利益率は「1 − 変動費率」です。損益分岐点売上高の計算式の分子に、目標利益を足しただけの形になります。 目標利益を0にすれば、そのまま損益分岐点売上高と一致します。
目標は「客数」まで分解しないと動けない
「月商を450万円にする」という目標は、現場では何をすればいいのか分かりません。 これを「1日あたり54人、1回転あたり1.8人分の追加」まで分解すると、初めて打ち手が見えます。
- 1日あたり売上 = 必要な月商 ÷ 営業日数
- 1日あたり客数 = 1日あたり売上 ÷ 客単価
- 必要な回転数 = 1日あたり客数 ÷ 席数
ここで出た回転数が3.5回転を超えるようなら、その目標は席数の制約で達成できない可能性が高くなります。 その場合は客単価を上げるか、営業時間を延ばすか、テイクアウト・デリバリーで席の制約を外すかの判断になります。
目標達成には3つの経路がある
| 経路 | 方法 | 速さ |
|---|---|---|
| 客数を増やす | 集客、回転率改善、営業時間の延長 | 遅い。販促費もかかる |
| 客単価を上げる | 値上げ、セット販売、追加注文の促進 | 速い。ただし客離れのリスク |
| 費用を下げる | 固定費の削減、原価率・人件費率の改善 | 確実。ただし上限がある |
実務では、この3つを同時に少しずつ動かすのが現実的です。 客数を5%、客単価を5%、変動費率を2ポイント——それぞれは小さくても、掛け合わせると利益は大きく動きます。
目標利益の決め方
「なんとなく多いほうがいい」ではなく、必要額から積み上げてください。
- 借入金の元本返済額(損益上は費用にならないが、現金は出ていく)
- 法人税・所得税(利益の約25〜35%)
- 設備の更新積立(厨房機器は5〜10年で入れ替えが必要)
- 運転資金の余裕(月商の1〜2か月分は手元に置きたい)
この合計が、最低限必要な営業利益です。ここを埋めていない状態は、 黒字であっても資金が細り続けている状態です。
よくある質問
目標利益は営業利益と経常利益のどちらで設定しますか?
このツールは営業利益ベースです。借入金の支払利息がある場合は、固定費に利息額を加えると経常利益ベースになります。
借入返済分はどう織り込みますか?
元本返済は費用ではないため、固定費に含めず目標利益のほうに上乗せしてください。税引後の利益から返済するため、正確には『返済額 ÷ (1 − 税率)』を目標利益に加えます。
客単価を上げるのと客数を増やすのはどちらが優先ですか?
一般に客単価のほうが速く効き、コストもかかりません。ただし上げすぎれば客数が落ちるため、値上げシミュレーターで許容できる客数減を確認してから決めてください。
必要な回転数が現実的でない場合はどうしますか?
席の制約が原因なので、客単価を上げる、営業時間帯を増やす、テイクアウトやデリバリーを追加する、といった席数に依存しない売上を作る方向で検討します。
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計算結果は目安です。税務・労務・衛生管理の最終判断は、税理士・社会保険労務士・保健所など専門機関の指示に従ってください。