損益分岐点売上高 計算ツール
「いくら売れば赤字にならないか」を出します。1日あたりの売上と必要客数まで分解するので、営業中の判断にそのまま使えます。
損益分岐点売上高とは
利益がちょうどゼロになる売上高のことです。これを1円でも上回れば黒字、下回れば赤字になります。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)
分母の「1 − 変動費率」を限界利益率と呼びます。売上が1円増えたときに、固定費の支払いに回せる金額の割合です。 限界利益率が53%なら、1万円売れば5,300円が固定費の穴埋めに使われます。
固定費と変動費の分け方
この線引きが結果を左右します。判断基準は「客数がゼロでも発生するか」です。
| 固定費(客数と無関係に発生) | 変動費(売上に比例して増える) |
|---|---|
| 家賃・共益費 | 食材費・ドリンク仕入 |
| 社員給与・役員報酬 | アルバイト人件費(シフトを調整する分) |
| リース料・保険料 | キャッシュレス決済手数料 |
| 通信費・水道光熱費の基本料金 | 水道光熱費の従量部分 |
| 減価償却費 | おしぼり・容器・割り箸などの消耗品 |
| 顧問料・システム月額 | デリバリーの手数料 |
アルバイト人件費は本来、完全な変動費ではありません(客が来なくても入ってもらった以上は払う)。 実務では、最低限のシフトを固定費、繁忙時の追加分を変動費として分けると精度が上がります。
安全余裕率で「どのくらい耐えられるか」を見る
安全余裕率(%)=(実際の売上 − 損益分岐点売上)÷ 実際の売上 × 100
売上が何%落ちたら赤字になるかを示します。20%以上あれば、繁閑差や一時的な客数減に耐えられる状態です。 10%を切っていると、雨が続いた月や連休の並びが悪い月にそのまま赤字になります。
下げる方法は2つしかない
損益分岐点を下げる手段は、固定費を減らすか限界利益率を上げるかのどちらかです。
- 固定費を減らす:家賃交渉、使っていないサブスクの解約、リースの見直し。効果は確実で、一度下げれば毎月効きます
- 限界利益率を上げる:値上げ、原価率の低いメニューへの誘導、決済手数料の低い方法への誘導
値上げの影響を具体的に見るなら値上げシミュレーターを使ってください。 限界利益率が高い店ほど、売上増が利益に直結します。
よくある質問
変動費率はどう調べればいいですか?
直近3か月の損益計算書から、食材費・アルバイト人件費・水道光熱費の従量分・消耗品費・決済手数料の合計を売上高で割ってください。1か月だけだと仕入のタイミングでぶれます。
減価償却費は固定費に入れますか?
入れます。ただし現金は出ていかないため、資金繰り上の分岐点を見たいときは減価償却費を除いた「キャッシュベースの分岐点」も別に計算すると実態がつかめます。
借入金の返済は固定費に入りますか?
損益計算上は入りません(元本返済は費用ではないため)。ただし返済原資を確保する必要があるので、実務では『固定費+元本返済額』で必要売上を出すことをおすすめします。
安全余裕率の目標は何%ですか?
20%以上が一つの目安です。飲食店は月ごとの売上変動が15〜20%出ることが珍しくないため、これを下回ると通常の季節変動で赤字月が発生します。
原価・利益の他のツール
計算結果は目安です。税務・労務・衛生管理の最終判断は、税理士・社会保険労務士・保健所など専門機関の指示に従ってください。